◆ びっぐ対談 其の一 ◆

A氏 VS B氏

テーマ〜仏滅〜

ニューヨークの某有名ホテルの一室にて決行(2004年)



脚本:歌舞伎龍“竜巻R&R”魔差寛


司会:本日は、「仏滅」というテーマで対談をお願い致しております。よろしくお願いします。

A氏:よろしくお願いします。

B氏:よろしく。

司会:まずはじめに「仏滅」という言葉を聞いて最初に思い浮かぶことは何ですか?Aさん。

A氏:そうですね。小学校の図工の時間と体育の時間ですね。この2つは非常に残酷ですね。特に後者です。なぜ、小学生の体育=球技なのか。球技の出来た者勝ちですよね。短距離走とか器械体操は、なぜあそこまで排斥されなければいけないのでしょうか?球技=正義みたいな考え方は止めたほうがいいですよ。

B氏:なるほど。それはありますね。短距離走がいくら速くても、器械体操がいくら上手くても、野球やサッカー、ドッジボールが上手い奴らが脚光を浴び続けるというのはおかしいですよね。

A氏:「メジャーの法則」ですよね。ゴールデンタイムにフジテレビや日テレは見ても、KBS京都やサンテレビは見ないというようなことです。例えば、同じ時間帯に日テレよりもKBS京都の方がおもろい番組を放送していても全く評価されない・・・これと同じですね。

B氏:「メガネかけてて強い人」ですね。

A氏:全くその通りです。メガネをかけているけれども実は強い・・・これは全く評価されないんです。まずこのメガネという負のアイテムが、強さというものをかき消しとるわけです。決定的な負の部分がひとつでもあると、それをカバーするものを持っていても全く意味が無いということです。

B氏:痛快ですね。

A氏:そうです。これが世の中ですね。よく、格差を無くして平等な社会とか言うてますけど、あれは人間の動物的本能として無理だと思うんですよ。人間も所詮は動物でしょ。動物ということは生きていかなあかんわけです。生きていく為には邪魔者は消さないといけないですよね。1匹の蛙を2匹の蛇が仲良く分け合って食べる・・・てなことは、自然界ではありえないわけです。だから少しでも人の弱点を見つけると、そこにつけ込んで排斥しようとする。これは動物学的見地からして真っ当なことだと私は思うんですがね。金魚でも何匹かを同じ水槽に入れておくと、弱い金魚はいじめられて死ぬでしょ。水槽の中にでもヒエラルヒーがあるわけです。

B氏:その最たる例がメガネということですね。

A氏:そういうことです。ガラス越しに物を見とるという時点で、もうあかんのですよ。それに最大の理由が美容的観点でしょ。だからコンタクトというもんが巷に氾濫している。全く笑けますね。もっとメガネをかけていけと思いますわ。お前らの、ちまちました弱点隠し&ええかっこCなんか、もうとっくにバレとるわボケと思いますよ。

B氏:ガラス越しに消えた夏ですね。そうすると、その日によってメガネを無作為にかけ分けてくるT山氏なんかは見上げた根性ですよね。

A氏:そうですね。メガネは最低2つ。出来れば、度付きのグラサンなんかも持っておきたいくらいですが、これは若干、逃げ的な部分がありますよね。この度付きのグラサンに関しては。

B氏:それは逃げですね。

A氏:全くですね。

B氏:この前、バスに乗っていたらですね。リュック背負っていかにも今から登山に行くというようなじじいが乗ってきましてね。おもむろに手帳をリュックから取り出したんですよ。何が書いてあるのかと思って覗き見したら、今日これからの登山の行程が書いてあるんですよ・・・。この爺さんがJR奈良駅に着いているころ、俺は一体どこで何をしているのだろうと・・・。

A氏:消化不良の日々を過ごしているうちにそのような発想によく陥りますよね。例えば普段、用事で家を空けているとき、「今、俺の部屋には誰も居てないけど、確かに誰も居てない俺の部屋という空間はこの世に存在するわけで、その中ではどのような空気変化が起きて、どのような微量音が鳴り響いているのだろう・・・」みたいな感覚ですね。

B氏:強烈な四次元的ジレンマに襲われますよね。いっそのこと、テープレコーダーをまわしっ放しで部屋を出て行き、自分の居ないときの部屋の音を録音して、後で何回も繰り返し聴きたくなるような衝動ですね。

A氏:それって、リビドーに近いもんがありますよね。

B氏:そのような感覚と爺さんというのは、ひどく乖離した感覚があるんですよね。極端にあるんですよね。

A氏:そうですね。電車の中とかでの爺さん同士の会話なんかを聞いていると、当たり前のことを語り合ってお互い納得している・・・。「1+1=2ですよね」「本当ですよね」みたいなことを平気で語り合っているのですよ。例えばそれが政治の話題であったりするんですがね。

B氏:どうして、爺さんはお互い当たり前のことを話し合い、納得し合うのでしょうかね?

A氏:本当にそうです。そこに何も無いじゃないですか。お菓子で言うたら「雪の宿」的なもんですよ。

B氏:せめて、「まがりせんべい」くらいまでは行って欲しいですよね。

A氏:「木川かえる(故人)」とか「ケーシー高峰」なんか最高なんですけどね。あと、中年ですけど「ローカル岡(故人)」なんかもおもろいですよ。

B氏:じじいという事実をもっと前面に出して活かしていけばこれほど最強の笑いは無いんですけどね。爺さんがブレイクダンスとか上手かったら絶対笑ろてまうじゃないですか。

A氏:もったいないですよね。

B氏:「RCサクセション」の「ステップ」ですわ。

A氏:老人の話が出ましたけど、50超えてロックってかっこええですよね。

B氏:まことにかっこええですね。

A氏:永ちゃんなんかその象徴的存在ですよね。

B氏:50超えて普通あそこまで出来ますか?素晴らしいですよね。50超えて、皮の上下は素晴らしい。

A氏:神ですよね。

B氏:内田裕也なんかもロックですよね。

A氏:あの歳になって、まだ暴力沙汰を起こしているというのがいいじゃないですか。

B氏:ジョー山中はちょっと内田裕也を意識し過ぎでしょ。

A氏:私はね。ジョー山中は認めてない部分があるんですよ。

B氏:あういうスタイルは良くないですよね。

A氏:非常によくない。「笑っていいとも」に出たって結局、内田裕也の話になるでしょ。

B氏:あきませんね。

A氏:ところで、年末も近いですが、年末の深夜の特番とかは、まぁまぁおもろいでしょ。

B氏:そうですね。そういう番組って、番組内で何故か突然、「くしゃおじさん」の映像が流れたりするじゃないですか。

A氏:そういうの、たまりませんよね。

B氏:年末から元旦にかけての番組欄は見逃せませんよね。

A氏:来年は是非、若人あきら氏のような体験をしたいと思っているのですよ。またそれを実現出来るように最大限の努力はしていきますよ。

B氏:それは素晴らしい。私は、春の甲子園の入場曲が、何故一年前のヒット曲なのかというNHK的発想にとうとうメスを入れようと思うのですよ。

A氏:ナイスですね。

B氏:嗚呼、今日の対談はかなり疲れました。もうあなたとは今後、二度と話したくもないですね。

A氏:こちらも、二度と嫌ですね。お断りしますわ。「うんこマンが、」を「うんこ漫画」と間違えるようなデリカシーの無い人間とは口も利きたくないですわ。

B氏:ボケ。

A氏:死ね。

司会:最後はベタな終わり方でしたね。感動しました。本日はどうもありがとうございました。




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