TALK'n-ROLL SHOW
卯タ多ゑ敏子(from はるえプロと敏子師匠)
~敏子師匠と年越ししょう!~
年越し特別インタヴュー

脚本:サンダーバード・ヒル
Web構成:エレクトリック・サムライ・ニンジャ
インタヴュアー:敏子師匠こんばんは。
卯タ多ゑ敏子:こんばんはじゃないよ、まったく。
インタヴュアー:あれ、少し荒れてますね。今年は敏子師匠にとってはどんな一年だったでしょう?
卯タ多ゑ敏子:ネットっていうの?嫌な時代よね。アタシが春枝と組んでやってても、横盗り姉妹だなんて言われてねえ。そりゃ確かに楽屋の差し入れとかはもらっていくわよ。でもね、そんなに大事なら楽屋のテーブルの上に置いとかない方がいいわよ。そんなとこにあったら、食べてください、って言ってるようなものでしょ?そりゃ宛名書きがされてたら少しは遠慮するわよ。遠慮はしつついただくけどね。こないだなんかはサミー荻原っているじゃない。あの娘がお母様だかから送られた差し入れを食べちゃってね。そのままゴミ袋に入れて出したのよ。そしたらその差し入れの箱の中に手紙か入ってたらしいのよね。なんでも、サミーの恩師からの手紙らしくて、その人が…なんかもう亡くなる直前だかに書いた手紙らしいけど、そのままゴミ箱にポイ~しちゃったわよ。
まぁその時はなんともなかったんだけど、その公演が終わって3日くらいした後かな、サミーから電話があったのね。手紙知りませんか?って。手紙なんか知るわけないじゃない。そしたらサミーが、私の差し入れ食べましたよね?って。だから私は言ったのよ。私はオハギは嫌いなの!ゴマのオハギは良いけどね!って言ってやったわ。
そしたら、なんでオハギって知ってるんですか?私は差し入れとしか言ってませんけど?と言われてね。私も負けじと言い返したわ、普通ゴマのオハギだけじゃなく、アンコもつけるでしょ?ってね。もうそのあとは論戦よね。思いっきり罵倒してやったわ。そしたら、今ってすごいのね、全部機械で録音されてたのよ・・・。
で、そこから手紙の話になってね。なんでも死期を悟った恩師が最後にどうしても伝えたいことを書き記したって言うわけよ。絶対に探し出せ!そう出なきゃ訴訟も辞さない!だなんて。仕方ないから、会場の近くのゴミ収集から何から全て見てきたわよ。ハイニョーさんも普段は清掃員してるでしょ?だからその辺の力も借りてね。でも当然見つかるわけなんかないのよ。
卯タ多ゑ敏子:だから私らも知恵を出し合ってね、どうせ誰も見たことがないなら偽造しちゃえって、ことになってね。でも封筒が困るじゃない?だからその辺はぬかりなく、サミーのお母さんに聞いといたのよ。どんな封筒か教えてくれないと探せないから、って。
卯タ多ゑ敏子:そしたらどこにでも売ってる茶封筒です、なんとかして下さいって。もうその瞬間心の中でガッツポーズよね。すぐ事務所から茶封筒くすねてきてさ、中身なんか見てないんだからそのまま便箋に書いたのよ。もちろん字なんか汚く書くわよ、だって死期が迫ってる恩師なんだからね雑な字になって申し訳ない、と断り書きを入れてね。
内容は…よく覚えてないわよ。なんせ時間ないから移動中のワゴンの中で書いたわ。そしてそれを、サミーのとこに持って行ったわ。そしたらサミーもまんまと騙されてね。敏子さんありがとう、差し入れのことは水に流すからって。
卯タ多ゑ敏子:それで封を切って読み始めたわけ。そしたら、サミーがいきなり笑い出したのよ。アテクシもびっくりしちゃってね。え?何がおかしいの?って聞いたわけ。そしたら、サミーが満面の笑みで言うのさ、まんまと引っかかったわねって。
卯タ多ゑ敏子:私は意味がわからなかったけど、まずそもそも恩師はシキが近いとは言った。でもそれは死期ではなく式、どうもなんかの授賞式のことだったらしいのよ。おまけに、私は萩原ではなく荻原です!オハギが差し入れだったからハギだと勘違いしたようですね!って。慌てて手紙を見たら、拝啓 萩原さんへ ってなってたわ…。
卯タ多ゑ敏子:どうも、私らを懲らしめるために一芝居うたれたってことなのよ。死にそうな恩師はいなかった。昔あったわよね、CMで。良かった病気の子供はいなかったんだ。って、あの気分よ。